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ラトビア鉄道歴史博物館の屋外展示でまず目に入る蒸気機関車、52型036号機は1942年のドイツ製。1947年にソ連で1524mmに改軌しています。長さ23mで重量135トン、軸配置は1Eで出力1104kW、動輪径は1400mmと小さく最高速度は80km/hだから貨物用でしょう。 自動連結器で、バッファは付いていません。

52型は、1942年から10年間でドイツ、フランス、ポーランドなどで何と6700両以上も製造され、第二次大戦後のソ連の領土だけでも2700両以上稼働していた蒸気機関車です。ソ連では1952年にТЭ型に型式変更し、主に西部のバルト地方やベラルーシ、ウクライナなどに配置され、ラトビアでは1985年まで使われていたそうです。

機関車の右に写った腕木式信号機が、日本とは違った形をしていますね。左には給水設備もあります。

▲ ドイツ製の蒸気機関車 ТЭ型036号機

1967年にウクライナで製造されたВЛ26-005電気機関車は、パンタグラフによる架線からの給電の他、バッテリーによる走行も可能なため、電化路線のみならず非電化路線も含め、入れ替えや地方線区の貨物列車の牽引に従事しました。長さ19.9mで重量126トン、軸配置はC-Cで、DC3000V、出力1410kW、最高速度は80km/h。1995年に引退しています。

▲ ВЛ26-005電気機関車

1984年ロシア製のディーゼル機関車ТЭП60-1206は、1995年までリーガ周辺で運行されています。同型は、1960年から85年までの間に1241両製造され蒸気機関車を置き換えた、60〜80年代のソ連を代表する旅客用ディーゼル機関車です。V型16気筒の2サイクルディーゼル機関が発電機を駆動する電気式で、長さ19.25mで重量129トン、軸配置はC-C、出力2280kW、最高速度160km/h

何故、新製から11年で廃車にして博物館入りしたのか疑問です。まだまだ十分使える機関車ではないでしょうか。 なお、屋内にあったディーzる機関車のお面は、同じ型式の0192号機です。

ТЭП60-1206電気式ディーゼル機関車

共産圏色の1972年ウクライナ製のディーゼル機関車TЭ3-7593は、1994年までラトビア鉄道で運行されています。同型は、1953年から73年までの間に13595両も製造され蒸気機関車を置き換えた、60〜80年代のソ連で最も広く一般的に使われた貨物用ディーゼル機関車です。V型10気筒の2サイクルディーゼル機関が発電機を駆動する電気式、長さ17mで重量127トン、軸配置はC-C、出力1472kW、最高速度100km/h

重連で展示されていますが、片運転台の1両だけでも運転は可能とのことです。

▲ TЭ3-7593電気式ディーゼル機関車

1971年ロシア製のディーゼル機関車ТЭМ2-1000は、1995年までラトビア鉄道で運行されています。同型は、改良を加えながら1960年から2000年までの間に9000両以上も製造された入れ換え用のディーゼル機関車です。直列6気筒のターボ式過給器付き4サイクルディーゼル機関が発電機を駆動する電気式、長さ17mで重量120トン、軸配置はC-C、出力883kW、最高速度100km/h

▲ ТЭМ2-1000電気式ディーゼル機関車

1970年製のディーゼル機関車ТГМ3Б-2804は、1994年までラトビア鉄道で運行されています。ТГМ3型は、1959年から77年までの間に3477両製造された入れ換え用のディーゼル機関車です。20年近くにわたる製造期間で、何度も設計変更や修正があり、最終型に“Б”の型番が付いています。ラトビアでは蒸気機関車を置き換える形で1967年から使用を開始し、入れ替えの他、軽貨物や旅客列車、さらには企業や港湾でも使われ、何両かは現在でも使用されています。

V型12気筒の過給器(スーパーチャージャー)付き4サイクルディーゼル機関から、油圧変速機を介して車軸を駆動する方式で、長さ12.6mで重量68トン、軸配置はB-Bで、出力552kW、最高速度は入れ替えモードが33km/h、列車牽引モードが70km/h

▲ ТГМ3Б-2804ディーゼル機関車

1960年ロシア製のディーゼル機関車ТГМ1-532は、リーガの港湾や造船所、石油プラントなどで2000年まで運行されています。同型は、改良を加えながら1956年から72年までの間に3368両製造された、入れ換え用のディーゼル機関車です。V型12気筒の4サイクルディーゼル機関から、油圧変速機を介して車軸を駆動する、長さ9.75mで重量48トン、軸配置はCでロッド式、出力294kW、最高速度は入れ替えモードが30km/h、列車牽引モードが60km/h

▲ ТГМ1-532型ディーゼル機関車

1981年ロシア製のディーゼル機関車TГK2-5999は、機関区内で1994年まで使用されています。このクラスの機関車は、1959年から製造が始まり9000両以上が製造された入れ換え用のディーゼル機関車で、半世紀を経た今も製造が続けられています。直列6気筒の過給器(スーパーチャージャー)付き4サイクルディーゼル機関から、油圧変速機を介して車軸を駆動する方式で、長さ8.28mで重量28トン、軸配置はBで、出力185kW、最高速度は入れ替えモードが30km/h、列車牽引モードが60km/h

▲ TГK2-5999ディーゼル機関車

1950年ロシア製のガソリンエンジンの入れ替え用機関車М2К15-885は、1990年代までリーガの工場で使用されていたものを、2003年に民間企業から博物館に寄贈されたものです。車体が小さいので、連結器の位置が高く見えます。1947年から59年までに4000両以上製造された15トン型2軸の入れ替え用機関車シリーズで、主に国鉄から中小企業の引き込み線での入れ替え作業の用途に使われていたようです。

直列6気筒の4サイクルガソリン機関から、逆転機を介して直接車軸を駆動する方式で、長さ7.3mで重量15トン、軸配置はBで、出力66kW、最高速度は65km/h。自動連結器と、バッファの両方を備えています。

▲ М2К15-885ガソリンエンジンの入れ換え用機関車


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