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インターラーケン・オストから国鉄の狭軌線でブリエンツへ
ユングフラウヨッホに登った翌日は、再びインターラーケン・オストから出発します。ここから線路幅がスイス国鉄唯一の1mの狭軌、ブリューニク線が74km先のルツェルンを結んでおり、途中にはリンゲンバッハ式のラックレールを設けた急勾配区間もあります。標準軌の国鉄線 や国鉄の列車も乗り入れるレッチュベルク鉄道に比べて一回り小さな機関車や客車は、新型のパノラマ1等車や食堂車なども含め、私鉄の氷河急行とよく似ています。
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インターラーケン・オストの国鉄ブリューニク線 | 機関車の次はパノラマ1等車、食堂車も連結 |
ルツェルン行きの列車がインターラーケンオストを発車すると、しばらくして右側の車窓にブリエンツ湖が広がります。湖畔沿いに20分余りで到着するのが、木彫り の工芸品で有名なブリエンツの町。ここまでは平坦な路線で、この先に標高1002mのブリューニク峠越えのラックレール区間があります。
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国鉄ブリエンツ駅 後方にBRBの小さな緑の蒸気機関車 | 国鉄ブリエンツ駅にいたこの車両は一体なんでしょう |
湖畔にある国鉄ブリエンツ駅にはちょっと変わった車両が停まっていました。冬になると除雪装置でも取り付けるのでしょうか。
なお、インターラーケンとブリエンツの間には、ブリエンツ湖の観光船も就航しています。
蒸気機関車の登山列車ブリエンツ・ロートホルン鉄道
国鉄駅から道路をはさんだところで、ダークグリーンの小さな蒸気機関車が赤い客車を連結して乗り換え客を待っています。こちらがブリエンツ・ロートホルン鉄道(BRB)のブリエンツ駅です。
ブリエンツ駅前のブリエンツ湖 BRBのブリエンツ駅に隣接する車庫 車庫内までラックレール 標高566mのブリエンツから2298mのロートホルン頂上駅まで、わずか7.6kmで1732mも登るブリエンツ・ロートホルン鉄道の最急勾配は1000分の250。車庫の中も含め全線にわたって、路幅が800mmの狭軌の2本のレールの間にアプト式のラックレールが敷設されています。
小さくても機関車のすぐ隣では大迫力 客車を先頭に山を登るBRB 断面の上半分が丸くなり、各座席毎に扉のあるトロッコのような開放感あふれる2両の客車の先頭には車掌さんが乗っています。客車の後ろには緑色の小さな蒸気機関車が 連結され、山に向かって押し上げていきます。
この機関車、急勾配区間でボイラが水平になるように作られており、平らな始発駅では前方に頭を下げて前のめりになっています。従って、機関車はいつも山の方を向いており、下りはバック運転。ターンテーブルで向きを変えることはありません。
ディーゼル機関車の押す作業用のクレーン車 蒸気を吹き上げて急勾配を下ってくるBRBの列車 短いトンネルの中では耳をつんざくブラスと音が轟き、小さいながらもなかなかの迫力です。高度が上がって森林限界を超えると一面の草原が広がります。単線のため途中駅では下ってくる列車と交換。下りの機関車は白い蒸気を大きく吹き上げてきますが、自動車のエンジンブレーキや排気ブレーキのように、摩擦ブレーキを使わずにシリンダに蒸気を送ってブレーキにしているのかもしれません。
作業用のクレーン車を連結したディーゼル機関車がいました。これも勾配区間でエンジンを水平に保つために前のめりにできてています。