中国上海の磁浮(リニアモーターカー)


ギネスブックにも登録された誰でも乗れる地上で一番速い乗り物、それが中国上海の浦東国際空港と上海市の東のはずれにある上海地下鉄2号線龍陽路駅をむすぶリニアモーターカー、上海マグレブトレインです。

浦東空港ビルの2階から、道路をまたぐ渡り廊下のような連絡通路を行くと、“磁浮”と書かれた乗り場があります。“Linear Motor Car ?”と聞いても、これは和製英語のため通じません。英語で磁気浮上高速鉄道を表す単語は“Maglev”で、中国語では“磁浮”というようです。

▲ 上海浦東国際空港に隣接したリニアモーターカーの駅 赤いぼんぼりや金の柱が中国している 2008/3/29

窓口で切符を買って自動改札で中に入ります。途中駅はなく、次は終点の龍陽路なので簡単です。運賃は、普通席が片道50元(約750円)、貴賓席は100元で、あとで地球の歩き方を見ると、当日有効な航空券を示すと2割引となっています。しまった!

しばらく待っていると列車が到着したようで、階下のホームから乗客が出てきます。それと入れ替わりに、係員に案内されて乗客がエスカレーターでホームに降ります。対向式の2面2線のホームに停車しているのは、ドイツ製のリニアモーターカーです。 初めて乗る人が多いためか、発車までのわずかな時間を利用して先頭車の所まで行って、入れ替わり写真に収まりますが、安全策が邪魔になります。

▲ 浦東機場(空港)駅のホームに停車中のリニアモーターカー

車両の床下や屋根上に機器が設置できないからでしょうか、車内の中央部に機械室らしき部分があり、一部は乗客の荷物置き場になっています。その部分で前後に分かれた客室には、普通席では3人がけのシートが並んでいます。シートは固定で回転できず、一部は向かい合わせのボックス席になっています。青い布のシートカバーが中国ですね。

▲ リニアモーターカーの普通席 3人がけのシートが並ぶ

 

龍陽路側の先頭車の前半分のシートは、同じ普通席でも何故か2人がけになっています。全車自由席ですが、吊革や手すりがないので全員座れるのでしょうね。この日は空いていました。

飛行機や日本の高速バスのようなシートベルトはありません。

▲ リニアモーターカーの普通席 先頭部分は2人がけのシート

運転室の扉の窓から中を覗いてみると、極めて簡素な構成で、自動運転でしょうか、走行中の乗務員は液晶ディスプレーをただ眺めているだけです。床の延長コードや、夏に使うのでしょうか、片隅に置かれた扇風機等、舞台裏を見てしまったような気がします。

▲ 運転室は簡素なつくり

浦東空港駅を発車したリニアモーターカーはぐんぐん加速していきます。発車後1分少々で時速200km/hを超え、飛行機なら離陸している速度を超えても、まだまだ加速を続けます。3分ほどで430〜431km/hの定速走行に入ります。並行して走る高速道路のクルマも止まったまま後ろの流れて見え、陸上を走る乗り物では未経験の領域です。

▲ リニアモーターカーの最高速度は431km/h 速い速い!

最高速度では、騒音や振動もそれなりにあります。でも、431km/hで走るのはわずか1分ほど、すぐに減速です。日本の新幹線の最高速度である300km/h程度まで速度が落ちてくると、 ずいぶん遅く感じます。

やがて周辺に高層住宅が増えてくると、龍陽路駅に到着です。ここまで約30kmの所要時間は7分少々。表定速度240km/hも世界最速でしょう。

▲ 龍陽路駅に到着したリニアモーターカー

龍陽路駅のホームは2面3線で、乗車用の中央のホームには安全柵が設置されてますが、下車用の両側のホームにはありません。写真を撮るなら、こっちの方が明るくて良いかも。

▲ 列車をバックに携帯で記念撮影

浦東機場側の先頭車は、2人がけの黄色い革張りシートが並ぶ貴賓車です。下車後に窓から覗き込んで、車内の写真を撮ろうとしていたら、発車して行ってしまいました。

時速430km/hの体験はお勧めです。

▲ 浦東空港に向け龍陽路駅を発車していくリニアモーターカーの後ろ姿

上海磁浮発展有限公司のホームページは、こちらにあります

 

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