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路線バスに乗って老虎灘へ

3日目は時間の無駄遣いをしてしまったので、4日目は早起きをして8時過ぎにホテル近く、三八広場の停留所から30路のバスで海岸の景勝地、老虎灘へ向かいます。天気がよいので朝は寒く、 風がないので何とかしのげますが外気温は-10℃以下でしょう。暖房のないバスの窓は凍り付き、停留所に止まってもバス停の名前がよく見えません。

老虎灘のバスターミナル 老虎海洋公園

前夜にネットで見ていたバスの路線図は、全てのバス停を網羅しているのかと思ったら一部省略されていたようで、間違えて一つ手前で降りてしまいました。次の停留所歩くと老虎灘のバスターミナル があり、ここが始発となるバスが待機しています。

先へ進むと、水族館などの施設のある老虎灘海洋公園があります。入場券売り場の小姐にガイドブックを開いて、虎の彫像の写真を見せると、ここではなくもっと先だと教えてくれます。

引退した中国海軍の駆逐艦 カジキのモニュメントの向こうに高層マンションが

橋を渡り、引退した中国海軍の駆逐艦が係留されているそばを通っていきますが、バス停からまだ結構な距離があります。対岸との間にかかるロープウェーの下をくぐると、やっと6頭のトラのモニュメント“群虎彫塑”に到着です。巨大な虎はなかなかの迫力です。

周辺には、鳥類を集めた鳥語林珊瑚館などのいろいろな施設があり、一部の売店は営業していますが、いずれも冬は開店休業状態です。

虎の彫像は全長36m 青泥窪橋に向かう2系統のバス

老虎灘のバス停に戻る途中で、解放路のバス停を見つけました。ここから2路のバスで青泥窪橋へ向かいます。

 


大連港

青泥窪橋でバスを乗り継ぎ、大連港へ行ってみることにします。801路に乗ったら、他の系統は1元なのに、運転手の指差す先に2元と書いた紙が貼ってあります。801路と16路は2階建ての綺麗な車両が多いのですが、このとき乗った801路は小振りのバス。1元のバスより座席は上質で日本並み。

大連港のターミナルビル(左)と大連港務局社屋(右) 大型船が停泊する大連港の埠頭

大連港からは、天津や煙台のほか、韓国仁川への国際航路も就航しています。大連港のターミナルビルは新しくなっていますが、その前に建つ大連港務局社屋は、日満連絡船が就航していた当時の大連埠頭事務所そのものです。

大連駅に戻るときは、1元で乗れる708路のバスにしました。三八広場から旧日本人街の方を経て中山広場へ回り道します。

 


大連から快軌3号線に乗車

再び大連駅に戻ってきました。ここから高速電車“快軌3号線”で開発区を経て金石灘まで行くつもりで、ガードをくぐって快軌の大連駅のある国鉄大連駅裏 にまわります。まずは、早めの昼食に地下街のフードコートへ。暖房中の地下街の入口には、厚手の布を下げて外の冷気を遮断しています。7元の麺がうまい。

大連駅前地下街の入口 大連駅横ガードの商店

快軌の大連駅では、切符売り場に長蛇の列ができているものの、券売機の前は空いています。購入している人のやり方をみると、お金を入れて路線図を表示した液晶タッチパネルの下車する駅名にタッチし、“確認”にタッチするとスイカのようなICカードの切符とおつりが出て きます。

高架の快軌3号線大連駅 大連には珍しい券売機

大連駅から終点の金石灘までは8元。私が購入したあと、後ろに並んでいた人に操作方法を尋ねられました。日本語と身振り手振りで教えてあげました。 大連の人は、まだ券売機に慣れていないようです。

ICカードの切符 クロスシートの快軌3号線の車内

電車は4両編成で、先頭車が2扉、中間車が3扉でいずれも外開きのプラグドア。車内は、扉間は片側4人がけ、反対側は2人がけのゆったりとしたボックス席で、国鉄なら軟座なみでしょう。 製造時期の違いか、車端部がボックス席の車両とロングシートの車両があるようです。

大連駅裏に広がるヤード 世界一の大連造船所

発車すると、右側の車窓に広い貨物ヤード、海岸線に沿って中国最大の大連船舶重工の広大な敷地が続き、大型船舶が建造されています。

快軌3号線の車庫 この車両は何でしょう

沿線の快軌3号線の車両基地の近くで、新しい電車が何本も停まっているのを見かけました。先頭部がオレンジ色の2両編成で、快軌の車両とは異なるようです。ここには車両メーカがあるのでしょうか。

日本の有名企業の旗が並ぶ開発区 開発区から分岐し九里へ向かう快軌3号線の支線

開発区に近づくと車窓には、工場というよりは近代的なビル群が続きます。その一角には、日本を代表する有名メーカの社旗が立ち並び、その背後には従業員の住宅でしょうか、高層マンションが そびえています。

開発区駅からは支線が分岐しており、ここでは多くの乗客が下車します。車窓に、立派な中華武館が見えてくると終点金石灘、大連からここまで49km、50分少々で到着です。 下車時には、ICカードの切符は改札機にタッチではなく、吸い込まれて回収されます。

快軌3号線の駅名表示 金石灘の中華武館

 

金石灘

金石灘は、国家指定の海洋型リゾート地として開発された場所です。 旅行シーズンなら、駅前から観光地を巡るツアーバスも運行されているようですが、この寒さでは観光客は誰もいません。各方面に向かう接続の小型バスが何台か待っていて、下車した客はみんなバスに乗ってどこかへ行ってしまいました。

終点の金石灘駅 金石灘駅に停車する快軌3号線の電車

地図を見ながら海岸の方に向かいます。でもこの時期は、寒々しい風景のなか“陽光地中海”の看板が何ともミスマッチ。

うっすらと雪の積もった住宅街のなかに、ビキニ姿の小姐の像が建っています。海岸近くにも、同じ小姐の像があります。金石灘オリジナルのキャラクターなのでしょうか。

金石灘駅前 何ですか このキャラは

雪の降りしきる海岸に出てみました。“黄金海岸”と言う名称は、砂の色から付けたのでしょうか。沖に見えるのは漁から帰ってくる小型漁船だけ。海に流れ込む川に港があるのでしょうか、さかのぼっていきます。

大きな網の中に何かいっぱい詰まったものを積んでいる船がいました。養殖の牡蠣かもしれません。

雪が舞う黄金海岸 漁船が運んでいるのは牡蠣の入った袋でしょうか

金石灘駅近くに蝋人形館と毛沢東記念館が並んで建っています。蝋人形館は入場料が高いのでパスして、毛沢東像章陳列館に立ち寄ります。ガイドブックには5元となってい ましたが、10元に値上がりしていました。

金石毛沢東像章陳列館  毛沢東像

内部は、毛沢東の生涯の業績を年次別に示しています。晩年の文化大革命については、現在の中国での評価はどうなっているのか興味のあるところですが、展示ではさらりと流しているという印象です。それにしても、すごい数の毛沢東バッチがあります。故宮の天安門の模型までもが、毛沢東バッチでできています。

抗日戦争時代の毛沢東 毛沢東バッチでつくった天安門

私が館内にいる間、他に客は誰も来ません。服務員の小姐が、手持ちぶさたそうにおしゃべりに興じています。

金石灘には、この他にも自然の名所が何ヶ所かあるのですが、雪が積もっていては仕方がありません。

 

快軌3号線で大連へ

小型のバスが、次々と金石灘駅に乗客を運んできます。駅の券売機は使用中止で、窓口で切符を購入します。大連行きの電車は空席を残して発車します。運転室の背面の客室内に2台の液晶モニタを装備しているのですが、片側は壊れたのか取り外したあとの配線がむき出しのまま。 壊れてもなおさない文化ですかね。

大連に到着した快軌3号線の電車 駅の券売機が使えなくなっている

各駅毎に乗客が乗ってきて、開発区駅では支線からの接続客で立ち客もでます。軽軌の大連駅で下車したとき、全ての券売機は使用中止の状態でした。 やっぱり・・・。