HOME 1/6page 2/6page 3/6page 4/6page 5/6page 6/6page


路面電車201路の西の終点へ

大連3日目。朝起きて窓の外をみると、雪化粧しています。ゆっくり朝食をとり、雪がやんだ10時過ぎにホテルの前から前日とは逆方向の市電に乗ります。新型の連接車で一番前のボックス席に座り、大連駅を越えて、201系統の終点興工街まで行ってみることに。

新型LRTの運転室 雪を乗せた旧型車

大連駅で乗客を降ろして、停留所の乗車位置まで電車が移動する間に、車掌が席をまわって何か言っています。他の乗客の様子をみると、どうやら大連駅を越えて乗車する場合には、追加して運賃を払う必要があるようです。1元を取り出して車掌に渡そうとすると、自分で乗車口まで行って料金箱に入れろと言っているようです。やれやれ。

大連駅前で201系統と203系統の線路がつながり直通運転になっても、運賃は大連駅で分かれていたときのままです。

曇った窓をキャンバスに 沙河口駅に向かう廃線跡はバス専用レーンに

大連駅から西へ向かうと、カーブが増え勾配のある路線となります。大連は起伏のある街で、かつて中国が自転車大国だった時も、大連の街には少なかったとか。市電はアップダウンを繰り返しながら、興工街の交差点の手前が終点となり、ここで折り返します。

8年前に来たときには、201系統は202系統と接続する興工街の交差点を右折したところに停留所があり、そのまま北へ、沙河口駅に向かっていましたが、今では、線路跡はバス専用レーンとなっているようです。

 

興工街で202系統に乗り換え

交差点の近くに大きなショッピングセンターができています。ちょっと立ち寄ってみることに。地下には米国系のスーパーマーケットウオールマートがあります。中国は旧正月を祝うはずですが、年末には売り場に正月用品も並んでいます。翌年の干支の赤い正月飾りカレンダーを仕入れます。同じ地下には、個人商店とおぼしき小さな店がぎっしりと並んでいます。その中の食堂で牛肉麺を注文し、早めの昼食に。

干支の虎の縫いぐるみ 何故赤いの? ショッピングセンター内の個人経営の食堂

ショッピングセンターの前は、市電202系統の折り返し点となっています。202系統は、全てLRTタイプの電車に統一されています。停留所にはドアの位置に合わせた太い鉄柵があり、整列乗車を強制的し、割り込み乗車ができない構造です。

停留所に停車していた202系統の電車に、走って乗ろうとした直前でドアがぴしゃり。前の車両のドアで私が、若い女性が後ろの車両のドアで置いてきぼり。でも、すぐに次の電車が来て、折り返してくるところをカメラで1枚。運転手と車掌が2名乗車しているのは201系統と同じ。

202系統の終点興工街 鉄柵でガードした停留所と折り返し電車

先頭で乗車して、運転室のすぐ後ろのボックス席へ。そうしたら、後ろのドアから先ほどの女性がわざわざ私の隣に座り、話しかけてきます。「日本人だから中国語はなせないの」と英語で言ったら、お互い片言英語で「日本のどこから?」。「Tokyo」。「大連に何しに?」。「Holiday 」。「どこまで行くの?」。「The last stop」。……何で美人の小姐がこんな日本のオヤジに?‥若干警戒モード‥。

     
黒石礁付近は高架線に       202系統終点の小平島前

前の席にいた若い男性が日本語と中国語の通訳に入ってくれて、彼女はカメラに興味があり、私が乗る前にデジイチで電車を撮っているのを見て声をかけたとのこと。彼は福岡大学に留学して、6年間天神の近くに福岡に住んでいたとのこと。

2つ目の解放広場から先は専用軌道となり、電車は速度を上げます。彼女は星海公園の先の、以前の202系統の終点だった黒石礁で降りていきました。「再見」。彼は、広州から出張で大連に来ているそうで、さらに先の海事大学で降りていきました。「再見」。

小平島前の車庫 折り返しの車内 始発ではまだ空いている

終点の停留所名が、北河口から小平島前に変更になっていますが、ここは電車の車庫以外はまだ開発中のところで、終点まで乗る乗客はほとんどいません。旅順に向かう道路が並行していますが、202系統も旅順方面に延長される計画だとか。

ここにいても寒いだけなので、車庫と電車の遠景を撮ってから、折り返しの電車で引き上げます。

 


星海公園と解放広場

帰路は、星海公園で途中下車。公園へ行くには、電車と平行する片側4車線の広い中山路を車がビュンビュン通る中を命がけで渡ります。うっすらと雪の積もった海水浴場に人影はまばら。

星海公園 イルカに腰掛ける乙女も寒そう

再び202路の電車で、今度は解放広場で下車。ここには車庫があって、8年前に写真を撮りに来ています。車庫から四角い7000型が1両、出庫していきます。方向幕は201路となっているので、興工街まで回送でしょうか。まだ生き残っていたのですね。事業用かもしれません。

閑散とした海辺 7000型の生き残り

車庫の表は“大連地鉄 Dalian Metro”と書いた青いフェンスで囲われ、中には未更新の3000型が3両ほど留置されているだけ。廃車かもしれません。車庫の機能は終点の小平島前に移転し、ここは地下鉄工事の準備にでも使われるのでしょうか。

解放広場の車庫 車庫の奥に残る廃車体?

 

人民広場へ

解放広場からバスに乗り換えて人民広場に向かいます。人民広場は1995年に星海広場ができるまで、大連一の大きな広場で、旧満州国時代は、“関東州庁前広場”と呼ばれていたとか。広場の北に建つ大連市人民政府、すなわち大連市役所は、旧“関東州庁”です。

大連市政府 大連市裁判所

広場の西の大連市裁判所は、旧“最高裁判所”、東は大連市公安局で、旧“警察訓練所”で、いずれも満州国当時からの建物です。

人民広場の交通整理の婦警さん

大連市公安局

人民広場の名物は、中山路の交差点に立つ婦警さん。夏は日よけのパラソルのもとで交通整理だそうですが、厳冬期の今は寒さ対策でしょう、イスラムの女性のように身体の全てを覆い目だけ出ている服装にはちょっと興ざめ。

 


庶民の市場

再び中山路を通るバスに乗って大連駅近くの青泥窪橋へ。ここから老虎灘行きのバスがあったはずと思い、中山路に沿って並ぶバス停を順番にチェックしても見つかりません。

寒いので、一度ホテルに帰って休もうと、駅前から市電に乗って三八広場へ。そういえば、三八広場からも老虎灘行きのバスがあったことを思い出し、周辺のバス停を見て回っていたら、路地の奥に露店の市場を見つけました。

大きなエイの干物? 寒空の下で賑わう露店

八百屋、魚屋、肉や等々、所狭しと品物が並んで、夕方の買い物客で賑わっています。庶民は、カールフールやウオールマートではなく、こういう店で買い物をするのだとわかりました。ビニールで囲った店もありますが、寒いところでの店番は大変です。でも、商品が冷凍にならないのでしょうか。

 

餃子の王将

地球の歩き方に掲載されている、ホテル近くのレストランで夕食をと思い、探すが見つからず。地図が間違っているのでなければ、店が無くなっている。地球の迷い方、いつものことです。

青泥窪橋で見つけた餃子の王将 餃子の王将の麻婆豆腐定食

やむなく、また市電に乗って大連駅へ。青泥窪橋で、餃子の王将を見つけました。中国では珍しい焼き餃子です。吉野家と違って、ここではお茶も出てきます。帰りに餃子の半額券をもらいました。裏を見ると、何と大連に6店舗も。