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旅の車窓から

フランス シャモニー・モンブラン 編

フランスの東部、スイスとイタリアの国境に近いアルプス山麓の街、シャモニーはヨーロッパ最高峰のモンブランの登山基地として有名です。ロープウエーで富士山の頂上より高いエギーユ・デュ・ミディの峰まで一気に登れば、モンブランは目の前です。この他シャモニーには、SNFCフランス国鉄の狭軌線が通っており、氷河を見に行くための登山電車の始発駅もあります。そんなシャモニーをご紹介します。


フランスアルプスの登山鉄道

フランス共和国はヨーロッパ西部に位置し、 六角形の国土と地中海のコルシカ島を含めると、日本の1.4倍の面積に日本の半分の5800万人が住んでいます。大半が低くて平らな土地ですが、南にピレネー山脈、東にはアルプスの山々が連なり、イタリアとの国境にあるモンブランはヨーロッパ大陸最高峰です。

鉄道が発達していて、フランス版新幹線のTGVが首都パリと国内各地を結び、一部はスイスのジュネーブなどにも乗り入れています。TGVの発展型のユーロスターはユーロトンネルを経て英国のロンドンと、タリスはベルギーのブリュッセルやオランダのアムステルダム、ドイツのケルンなどを結び、ヨーロッパの高速鉄道網の基幹をなしています。

ここでは、そんなフランス国鉄の華やかな高速列車とはひと味違った、アルプス山麓の国鉄の狭軌路線私鉄のラックレールの登山電車をご紹介します。

※ 2ページの末尾にそれぞれリンク先を設けました。詳しく知りたい方はご利用ください。


モンブランの登山口シャモニーへ

スイスのインターラーケンからバスで西に走ると、いつの間にかドイツ語圏からフランス語圏に入り、道路標識もフランス語表記に変わっています。レマン湖の湖畔に建つシヨン城に立ち寄った後、国境を越えてフランスに入ります。スイスはECには加盟していませんが、スイスとフランスの国境はフリーパスの状態でした。

シャモニーは、スイスとイタリアの国境に近いフランスの街。ヨーロッパアルプス最高峰、フランスとイタリアの国境にそびえるモンブラン(イタリア語ではモンテビアンコ、日本語にすれば白山)の登山口としても有名で 、世界各国から人々が集まってきます。

夕食後に街の散策に出かけると、広場では地元の民族衣装を着た人々が踊りをくり広げ、観光客がまわりを取り囲んでいました。

広場で踊りがくり広げられるシャモニーの夜 エギーユ・デュ・ミディに登るロープウエー乗り場

周りを山々に囲まれた標高1037mのシャモニーには、街を取り囲むいくつもの峰々にロープウエーがかけられています。中でも標高4807mのモンブランを間近に望む、富士山より高い3842mのエギーユ・デュ・ミディの峰の頂上にに登るロープウエーが、歩かなくても運んでもらえる最高地点まで行きます。

 

エギーユ・デュ・ミディのロープウエー

朝のロープウエー乗り場にやってきた時、残念ながら登っていくロープウエーのゴンドラは、雲の中に消えていく状態です。8月とはいえ、2日前のユングラウヨッホと同様にエギーユ・デュ・ミディの峰も吹雪かなと思い、半分あきらめの気分でロープウエーに乗りました。

山々に囲まれたシャモニーの街 ロープウエーはぐんぐん高度を上げていく

シャモニーの街がはるか下に遠ざかっていき、やがて雲の中に吸い込まれます。2800mに及ぶ標高差の中間地点、プラン・デュ・レギューで1度ロープウエーを乗り継ぎます。乗り継ぎ地点は雲の中、肌寒く、濃い霧が流れて視界はゼロ。ロープウエー乗り場から少し離れると方向がわからなくなり遭難の危険も 感じる状況でした。

乗り継いだロープウエーがさらに高度を上げ、3000mを超えたあたりでしょうか、ゴンドラの中で大きな歓声が上がりました。雲を突き抜けて上に出たのです。車窓からは、目映い太陽の下、雲海の上に鋭い頭を出したシャモニー針峰群が一望できます。

雲海の上に頭を出したシャモニー針峰群

やがてゴンドラは60度以上とも思われる勾配を駆け上り、標高3842mのエギーユ・デュ・ミディに到着します。シャモニーからこの間、わずか20分程度です。

 


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