HOME  1/3page  2/3page  3/3page


“ベルギー ブリュッセル  トラム博物館”

ベルギーの首都ブリュッセルの東の郊外にトラム博物館があり、1869年から現代まで150年にわたる鉄道馬車、トラム、バス、トロリーバス、タクシーなどの公共交通機関のコレクションが集められ、多くの車両は動態保存されています。春から秋の週末の午後にオープンする、ブリュッセルの隠れた観光スポットです。

▲ 車庫を活用したブリュッセルトラム博物館 2011/5

トラム博物館に行くには、ブリュッセルの都心を東西に走る5番のメトロに乗り、モンゴメリーで39番または44番のトラムに乗り換えます。地下駅から発車したトラムはすぐに地上に出て、緑の多い郊外の閑静な住宅街を走ります。

トラム博物館前の停留所で下車すると目の前にトラムの車庫があり、6棟の建物のうち2棟は現役のトラムの車庫として使われていますが、地下鉄の開通による路線縮小のため空いた4棟が、1982年に博物館となりました。

▲ 奥の2棟は現役のトラムの車庫

中に入るとカウンターがあり、ここでチケットを買います。入館料は5ユーロですが、開館日に運転されるクラシックトラムの乗車券を含む8ユーロのチケットがお勧め。トラム乗務員のOBでしょうか、年配の係員はフランス語のみで英語が通じませんが、何とかお目当てのチケットをゲット。

▲ 馬車2号

それでは博物館の車両をご紹介しましょう。中に入ると、まず最初に出迎えてくれるのは、TRAM-CARと車体に書いた二頭立ての馬車。No.2はレプリカのようです。車体に NORD MIDI と書かれているので、ブリュッセル北駅と南駅の間を走ったのでしょう。この間は、今ではトラムが地下を走るプレメトロの路線となっています。

馬車の後ろの3両は、車輪がレールに乗って走る鉄道馬車。オープントップの二階建て車両もあります。

▲ こちらは二階建て鉄道馬車

シングルルーフの鉄道馬車

馬車に取って代わったのが路面電車です。屋根の上の行き先は、北駅と南駅になっています。初期の車両は2軸の単車でダブルルーフにオープンデッキ、まだ運転台窓のベスチビュールは付いていません。側壁や側窓のない開放タイプの付随車を連結した2両編成で展示されていますが、冬はどうしたのでしょうか。

▲ ダブルルーフでベスティビュール無しの415号

▲ ダブルルーフでベスティビュール無しの830号と客室がオープンの低床トレーラー

346号は、小さいながら半室は密閉、半室は開放タイプの合造車です。密閉室側は畳のような表面生地のロングシートです。

▲ ダブルルーフでベスティビュール無しの346号 客室は半室オープン

▲ 346号の車内 密閉室側は畳のようなロングシート

20世紀になると、ベスチビュール付きのオープンデッキの単車になります。トロリーポールは1本で、進行方向に合わせてポール回しが行われます。この日は、428号が試運転中、984号が開放室の301号を牽いて博物館の乗客を乗せたクラシックトラムツアーの運行に出ていました。

▲ 試運転中の428号

▲ 今日のトラムツアーで乗車予定の984号

▲ トラムツアー乗客を乗せた984号の付随車301号

▲ 塗色で印象が異なるオープンデッキの1305号と1428号

▲ 1305号と連結した付随車の671号

▲ ヘッドライトの取り付け等細部は微妙に異なる1305号と1428号

▲ 1428号と連結した付随車の244号

▲ オープンデッキの1753号

▲ 1753号の一等室

▲ 1753号の二等室

▲ 客室がオープンの低床トレーラー1600号

側面や天井が骨組みだけになった1930号はレストア中でしょうか。床板も剥がされていて、台車の間に収まったモーターやコンプレッサーがよくわかります。

▲ 車体が骨組みだけになった1930号

▲ 1930号のモーターとコンプレッサー

1002号からあとは、出入り口にドアの付いた密閉型の車体です。終点のループ線で方向転換をするのでしょう、ドアは片側だけになっています。電動車のドアは前後2個所、付随車は何故か前と中央より前よりの2個所です。正面は中央の窓が傾斜して、その上にベンチレーターを設けた構造です。1064号以降は、集電装置がシングルアームのパンタグラフになっています。

▲ 密閉タイプの客室になった1002号 ドアは右側だけ

▲ 1002号と連結した付随車2004号

▲ シングルアームのパンタグラフになった1064号 付随車102号は前と中扉

▲ 1064号と同じタイプの1376号

1505号車から方向幕が付きます。窓の数字1967は製造年とするにはクラシックなスタイルですね。改造年でしょうか。

▲ 1505号と同タイプの1609号

▲ 1505号と同タイプの1609号

▲ 1609号と連結した付随車604号 後部窓の数字は系統番号でしょうか

▲ 付随車2118号の連結面

9098号は、Hゴム支持の固定窓の近代的な2軸単車です。この車の窓にある1960の数字は製造年かもしれません。

▲ 近代的なスタイルの2軸車9098号

片隅に、91号の運転台部分のカットボデーが置かれています。大きなコントローラーにエアーブレーキとハンドブレーキ。ここに立つと、ちょっとした運転士気分が味わえます。

▲ 91号の運転台カットモデル

▲ コントローラ、エアーブレーキとハンドブレーキ


次へ戻る