HOME  1/3page  2/3page  3/3page

バーデン鉄道でオペラ座前へ

バーデンは、古くはローマ時代から皇帝や貴族が、またモーツアルトやベートーベン、ヨハンシュトラウスなどウイーンを代表する大作曲家が集まったとされる温泉保養地です。ベートーベンは“第九”をここで完成させたとか。ベートーベンが暮らしたベートーベンハウスが公開されています。

市の中心は国鉄バーデン駅から市内を単線の併用軌道で走るバーデン鉄道で1停留所、歩いても15分程度です。昼食にイタリアレストランを見つけて入りました。東欧系の料理が続いた後で、パスタとピザとサラダのおいしかったこと。でも、やっぱりここでも出てくる量が半端じゃないです。

バーデンの中心にある広場 バーデン市内の単線併用軌道

バーデン鉄道のバーデン駅は市の中心にあります。道路から横に入った線路2本の行き止まり式の低いホームがあるだけです。電車は3車体連接車を2本併結した長い編成です。バーデンの終点がループ線になっていないため、電車は前後に運転台も持ち、左右両側にドアがあります。車内は向かい合わせのクロスシートで、片側4人、反対側は2人で、テーブルも付いてゆったりとしています。ここでも窓口で乗車前に、ウイーン市内の24時間券の有効区間までの乗車券を買い求めます。

バーデン駅に停車中のオペラ座前行きの電車 バーデン鉄道の車内 テーブル付きの座席

電車はバーデン市内を過ぎると複線の専用軌道になり、スピードを出しますが駅間隔は短く、広島電鉄宮島線の感じです。ウイーン市内に入り、市電の路線に乗り入れる手前に車庫があります。新しい電車が停車しているのを見つけ、車内から1枚スナップしました。前後は一般の台車を使用し、車体中央よりに寄せたドアから中間車を低床とした3車体連接の部分低床車のようです。

バーデン鉄道の3車体連接部分低床車 こちらはウイーン市電の5車体連接全低床車

市電の路線に乗り入れるとすぐに、線路は地下に降りていきます。道路混雑を避けるために、地下鉄とは別に市電の路線の一部を地下化した区間です。地下に何カ所かの停留所もあり、交差点の下なのでしょう、地下で直角方向に分岐していく路線もあります。

再び地上に出てしばらく走ると周囲が賑やかになり、ループ線のように道路の角をぐるっと回ってオペラ座の近くの道路に設けたバーデン鉄道専用のホームに入って終点、バーデンからここまで1時間余りの楽しい車窓です。

バーデン鉄道はこちらでも紹介しています

 


リンツ経由でチェコへ

翌朝はバスでチェコへ向かいます。高速道路を西に走ると、メルクの街にあるヨーロッパ最大のバロック僧院、ベネディクト会の修道院が見えてきます。建物は10世紀に建造され、18世紀に改築されたバロック様式の荘厳な造りです。

世界文化遺産のベネディクト会の修道院

リンツの街で高速から降りて北に向きを変え、しばらく走るとチェコとの国境です。EC加盟が決まったチェコですが、この段階では国境の検問はまだ厳しく、順番待ちの車で渋滞です。

 


旅のヒント

路面電車の好きな私としては、2度目のウイーンは、トラム博物館の訪問とバーデン鉄道の乗車が目的でした。ところが、トラム博物館は週末のみの開館とのことで、目的を果たすことが出来ませんでした。

鉄道ファンの方には、ウイーンからバーデンへの半日トリップがお薦めです。所要時間はウイーン南駅からの国鉄が25分程度、オペラ座前からのバーデン鉄道が1時間余りです。往路と復路で使い分けると違った乗り物が楽しめます。市内1ゾーンの24時間券での乗り越し精算は、どちらでも2ユーロだったと思います。

バーデン鉄道は、ウイーン市電の地下区間も通ります。ヨーロッパの市内交通の優れた一面も体験できます。


お役に立つリンク集

これからお出かけになる方や鉄道ファンの方に役立ちそうなリンクをそろえました

 


戻る最初のページ