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サンフランシスコ

ヨセミテ国立公園で一泊した翌日の午後は、再び峠を越えてサンフランシスコに向かいます。サンフランシスコは、サンフランシスコ半島の北端に位置し、西の太平洋と東のサンフランシスコ湾にはさまれています。市街は、数十もの丘の上に発達しており、急な坂が多くあります。この坂道に適した交通機関がケーブルカーです。北のピア39、フィッシャズマンワーフ近くの2箇所から、市の中心を北東から南西へ斜めに貫くマーケットストリート/パウエル間の南北方向の2系統と、東西方向のカリフォルニア線1系統、合計3系統がいつも満員の観光客を乗せて坂道を上り下りしています。

ケーブルカーのステップに立つのは正しい乗り方 パウエル線終点のターンテーブルで方向転換

ケーブルカーには、線路の間に常に走っているケーブルをつかんで動き、はなしてブレーキをかけるグリップマンと呼ばれる運転手が乗っています。車両の中央で大きなレバーを巧みに操っていますが、作業を見ているとなかなかの重労働です。チャイナタウンを通るカリフォルニア線は前後に運転台がありますが、パウエル−メイソン線とパウエル−ハイドライン線はいずれも片運転台のため、終点では手動のターンテーブルで方向転換します。

また、ケーブルカーではステップに立っている人をよく見かけますが、これは正規の乗車方法だそうです。

急な勾配を上り下りするケーブルカー 夜のカリフォルニア線

市の主要な大通り、マーケット・ストリートの地下には、市内と近郊を結ぶバートとよばれる地下鉄がはしり、通りの中央にはストリートカーが行き来しています。ここでPCCカーを見たときは、エッ、まだ現役なのと驚きました。PCCカーは半世紀前、1940年代後半のモータリゼーションに対抗するために、アメリカで当時の技術の粋を集めて開発した高性能路面電車です。

サンフランシスコに残っているのは、ここの1系統だけだそうです。'98年当時は、マーケットストリートが北東の海に出会うところが終点でしたが、その後北西に向きを変え、ピア39のフィッシャマンズワーフの方面まで路線が延長されたそうです。

マーケットストリートのクラシックなPCCカー PCCカーはバスと同じ片運転台 後ろはこんなスタイル

マーケットストリートには、路面電車と一緒にトロリーバスも走っています。電車のポールは1本ですが、トロリーバスはプラス側とマイナス側の2本。うち1本は電車と共用しています。また、路上の安全地帯も電車とトロリーバスの共用です。

マーケットストリートのトロリーバス 霧に浮かぶサンフランシスコの夜景 上弦の月がかかる

サンフランシスコの気候は北海道の釧路によく似ています。フィッシャマンズワーフのピア39で食事をしてからナイトツアーにでかけたのですが、ゴールデンゲートブリッジは霧の中。夏なのに風が強くて涼しさを通り越して寒さを感じました。東にある湾の対岸、オークランドへ渡るベイブリッジの途中にある、トレジャーアイランド(島)から見たサンフランシスコの夜景は絶景です。