HOME 1/4page 2/4page 3/4page 4/4page


上海南駅から特快列車で杭州へ

3日目は、朝から 杭州へ日帰り旅行です。ホテルからタクシーで地下鉄の人民広場駅へ。ここから1号線で上海南駅に向かいます。上海南駅は杭州方面への玄関駅として新しく整備され、上海駅との間は地下鉄1号線と3号線で結ばれています。

※ 2010年10月に上海−杭州間に高速新線が開通しました。これにより、杭州に向かう新幹線は上海虹橋駅又は上海駅から発車に変更されたようです。

手荷物のX線検査 上海南駅の待合スペース

入り口には、例によって空港と同じX線による手荷物検査があります。改札開始まで、列車別の待合スペースのベンチに腰をかけて待ちます。ホテルの朝食はパスしてきました。特快列車だから食堂車が連結されているかと思い、服務員に“餐車”と紙に書いてみせると、“ヨー”と言う返事。これは期待できるかなと思いながらも、満席の場合を考え、簡単な食料を仕入れます。

ディーゼル機関車を先頭にした杭州に向かう特快列車
各車両の入り口に車掌が立つ 南京西−寧波のサボ

発車時間が近づくと、案内放送があり改札口を通りホームにおります。飛行機の搭乗のようなシステムです。列車はすでに入線しており、各車両ごとにドアのところに車掌が立って切符をチェックします。

列車のサボを見ると、特快列車の始発は南京西で、行き先は寧波です。非電化区間に直通するからでしょうか、先頭には東風11型ディーゼル機関車を連結しています。先頭から最後尾まで、ホームを歩いて確認しましたが、餐車(食堂車)は連結されていません。中国でも、昼間の列車には食堂車を連結しなくなっているのでしょうか。残念。

一等座車の表記 一等車の車内
特等車の車内 コンパートメントもある

指定された号車は、軟座車ではなく一等座車となっています。4人のボックス席の軟座ではなく、一等座はリクライニングする2人がけのシートです。 上海駅で買った切符が10元ほど高かったのはこのためでした。

発車してから車内の探検に行くと、通路をはさんで一人がけと二人がけのシートが並ぶ特等座や、コンパートメントを持つ車両も連結されています。中国の列車も、バラエティー豊かになってきました。編成後方の特等座や一等座と、前方の硬座の間の貫通扉には鍵がかけられ、 この間は車内では行き来できなくなっています。

 


杭州駅

列車は上海南駅を発車すると、しばらく地上区間となった地下鉄1号線の電車と併走します。やがて、近郊の新しい瀟洒な住宅団地が目立ちます。分譲価格が高いんでしょうね。車窓に菜の花畑の黄色い絨毯が続き、途中2〜3駅に停車して、2時間ほどで杭州駅に到着です。

上海から杭州に向かう車窓に菜の花畑
杭州駅 観光コースの路線バス

まともな朝食にありつけなかったので、巨大な駅ビルの一角にある肯徳基(ケンタッキー)でブランチをしてから駅前へ。サンフランシスコのケーブルカーのようなスタイルの、観光コースの路線バスが発着しています。

 


六和塔と銭塘江

まずは、タクシーで広州市の南を流れる浙江省で一番長い川、銭塘江の岸にそびえる六和塔を目指します。途中で線路脇に、何両もの赤錆た蒸気機関車の廃車体が放置されているのを見かけました。

2008年の春は石油が史上最高値を更新していました。このとき上海のタクシーが初乗り11元、杭州は10元でしたが、何と車内に燃油サーチャージ1元のステッカーが。

     
杭州のタクシーには1元の燃油サーチャージ       六和塔

旧暦8月の大潮の頃、満潮にあわせて巨大な波が猛スピードで押し寄せる、銭塘江の大逆流は有名です。六和塔は、10世紀に、この銭塘江の高潮による氾濫を鎮めるために建立されました。現在の、高さ60m、七層八角(八角形の七階建て)の塔は、12世紀の再建だそうです。外部から屋根を数えると13層ありますが、階段を登ると7階が最上階です。

六和塔から銭塘江の眺め
銭塘江の鉄橋を渡る旅客列車

塔は川岸から少し登った丘の上に建っており、上層階からの展望は絶景です、と言いたいところですが、遠くはスモッグに霞んでいます。銭塘江の幅は1km以上あるでしょうか。ディーゼル機関車が牽引する旅客列車が長い鉄橋を渡っていきます。

 

花港観魚

杭州といえば、その中心に広がる周囲15kmの風光明媚な西湖西湖十景といって、四時熟語で表す10個所の見所があります。そのひとつ、花港観魚は西湖の南端に近くにある公園で、広い園内には500種以上の牡丹があり、鯉の泳ぐ紅魚池とあわせてこの名になったのでしょう。

西湖の南に位置する公園 花港観魚

六和塔で拾ったタクシーの運転手にガイドブックを開けて、花港観魚のページを見せたのですが、何を間違ったのか杭州の街から遠ざかる方向にクルマを走らせます。どう考えても方角が違うと思い、再度運転手にガイドブックを見せて確認すると、クルマを道端に寄せて通行人に聞いています。ガイドブックの 杭州市の地図のページを開き、ここ! と指し示すとやっとわかったようでUターン。途中でメーターを止めたので、上海のように意識的に遠回りして稼ごうとしたのではないようです。