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旅の車窓から

リトアニア ビリニュス・カウナス

JALのチャーター便でバルト三国へ。ラトビア共和国の首都リーガを経て、南隣のリトアニアへ。首都ビリニュスと第二の都市カウナス。トラカイ城と十字架の丘。大半が旧ソ連時代の車両で運行されているリトアニア鉄道をご紹介します。

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ビリニュス カウナス

バルト三国のリトアニアへ

旧ソ連崩壊で1991年に独立を回復したバルト三国森林と畑と牧草地の国土は北海道とよく似ていますが、違いは高い山がないこと。どこまでも平坦な国土です。

2004年には、チェコやポーランドなどの旧共産圏の国々とともに、念願だったEUへの加盟を果たします。その後は西ヨーロッパからの投資により、2桁の経済成長を謳歌してきたのも束の間、2008年のリーマンショックに端を発した経済危機では、西側の銀行が投資資金を一気に引き揚げたため経済は苦境に陥ります。

リトアニア共和国は、バルト海に面して北から南の並ぶバルト三国のうち、一番南に位置します。北にラトビア、南東にバラルーし南西にポーランドとロシアの飛び地になったカーニングラード州に接し、西はバルト海です。北海道の8割ほどの面積6.5万平方キロに、その半分以下の約330万人の人が住み、最大の都市はベラルーシの国境に近い人口50万人余りのビリニュスです。

外務省の統計では、2007年の日本からのリトアニア訪問者数9,105人、2009年1月現在の在留邦人数は、わずか46人です。

 

※ 5ページの末尾にそれぞれリンク先を設けるました。詳しく知りたい方はご利用ください。

 


ビリニュス駅

ビリニュスは、バルト三国では唯一の海に面していない首都で、路面電車のない首都です。リトアニアの南東部、ベラルーシの国境に近いネリス川沿いに位置しますが、13世紀のリトアニア大公国の時代は国の中心にあり、その後の国境線の移動により現在の位置関係になっています。

ビリニュス旧市街は世界遺産に登録され、2009年のヨーロッパ文化首都に選ばれています。

ビリニュス駅の正面 切符売り場は閑散としている

リトアニア鉄道ビリニュス駅は、旧市街の南端に位置しています。4面7線のホームを有し、ホームに屋根がないので横断陸橋の上から全体を良く見通せます。

ビリニュス駅の全景 中間のホームに屋根はなくすっきりとしている

リトアニアには、ラトビアやエストニアのような首都近郊の国電区間はなく、空港線を除けば中・長距離輸送が中心で、列車本数は多くはありません。それでも、朝のビリニュス駅には、ときおり電車や気動車が到着しては発車していきます。

 

ソ連時代の旧型気動車

ラトビアやエストニアでは見かけなかった、丸い先頭部を持つディーゼルカーがいます。D1型は、両端の先頭車の運転台後部が機関室になっていて、この部分は屋根が一段と高くなっています。ホームが低いので窓から中を覗きにくいのですが、室内には大きなエンジンが見えます。

運転台後部に機関室を持つ旧型気動車 エンジンが乗った3軸ボギー台車

この先頭部分の台車は3軸ボギーで、大きくて重そうなエンジンは台車の上に直接乗っているようです。旧ソ連には、小型の高速エンジンを車両の床下に納める技術がなかったのでしょうか。大した勾配もない路線で、中間に付随車をはさんだDTDの3両編成ですから、大きさの割には馬力のでないエンジンのようです。

窓から重そうなエンジンが見える 客室内は更新で綺麗に

機関室の真上に煙突があり、始動時に盛大な黒煙を噴き上げる様は、明治村に保存された蒸気動車を思い起こさせます。でも、車内は更新工事を受けて、簡素ではあるが綺麗な6人がけと4人がけのボックス席になっています。オリジナルは、クッションのない木製のベンチだったようです。

両端に機関室を持つ4両編成 3両編成の一端はエンジンのない制御車

ラトビアRVR製のDR1型も、D1型と同様に運転台の後部に機関室があり、やはりこの部分は屋根が高くなっています。4両編成は両端に動力車を配し、3両編成はどちらか一端が動力車、他端は制御車になっています。

運転台後部に機関室を持つ先頭車 車内は更新で綺麗に
更新時期の違いか座席の構成や窓の構造にいろいろなパターンが

動力車の正面は丸い形状で局面ガラス、制御車の正面は角張って平面ガラスのデザインですが、製造時期の違いでしょうか、制御車と同じ角張った形状を持つ動力車も見かけます。

更新の時期の違いでしょうか、車内はボックスシートですが、いろんな組み合わせがあります。

機関室部分 こちらは2軸ボギー台車 機関室下の台車への動力伝達機構

DR1型は、窓が小さくて機関室の仲がよく見えないのですが、エンジンは車体に取り付けていて、その直下のボギー台車の2軸を駆動しているようです。

 

ソ連時代の旧型電車

電車も旧ソ連時代のラトビアRVR製でしょう。気動車と同じリブのある車体です。車内は6人がけのボックスシートで、車端部だけはデッキ扉の幅が広いので、片側2人がけになっています。

旧塗色のラトビアRVR製の電車 電車の車内

赤茶色とクリーム色は旧塗色、赤と銀色が新塗色のようです。TcMMTcの4両編成で、中間の2両が動力車。もちろん吊りかけモーターです。

こちらは新塗色の電車 台車の中は吊りかけモーター

朝のラッシュ時にはまだ少し早いのか、それともビリニュス駅にはラッシュなどというものが無いのか、列車が到着してもホームは閑散としています。到着した車両の車内の掃除も、のんびりとしたものです。

到着した列車の清掃中 携帯メールは世界共通